『君を思い出す。』
僕は君を思い出す時に気をつけてることがいくつかあるんだ。
まず、できるだけ笑った顔を思い出すようにすること。
君は泣き顔なんて思い出して欲しくないかもしれない。
あと、素敵な思い出だと思ったらきちんと君に感謝すること。
君が律儀な僕に惚れ直してくれるかもしれない。
素敵な思い出ばかり思い出して顔がニヤけたりしないようにすること。
君に見られたら呆れられるかもしれない。
あとね、一番に、
一番に、君がいなくなった世界だって思い出しても、もう泣かないようにすること。
君も僕と同じように好きな人の泣き顔には弱いかもしれない。
それでも泣きそうなときは空を見上げて君の名前を呼ぶこと。
君があの日みたいに励ましてくれるかもしれない。
あ、ほら、空が笑った。
『かけざん』
今日学校でマイナスとプラスの掛け算を習った。
プラス×マイナスはマイナスになるんだって。
大好きな貴方を大嫌いになりたい私は、ちょっといいことを思いついた。
『好き』な部分を見つけては、
『嫌い』と呟いていく作戦。
マイナスを目指して賭け続けた結果、
たどり着く前に喉と涙が枯れそうで、
馬鹿だなって笑うかな。
その笑顔も、きっと、嫌いよ。
嫌い、嫌い、嫌い
『おやすみなさい、良い夢を』
「おやすみなさい、良い夢を」
なんとなく恋人に一言送ってみた。
最近仕事が忙しくて寝る時間が極端に減っている彼へ、本気で願った言葉だった。
送って、じんわり、相手を思いやる余裕があることに心が暖かくなる。
貰って得る幸せは、温度がわかりずらく、底なく求めて相手を困らせてしまったりする。
だけど、渡して得る幸せは、自覚できて暖かく、自分勝手ではあるがひとりで満足することができる。
どう考えても、効率がいい。
からまわって相手に迷惑になった時はちゃんと謝ろう。
求めるのではなく、渡す愛を知れた私は少し大人になったのではないだろうか。
なんて、まだまだお子様な自分にしては珍しく難しいことを考えていれば、まぶたがだんだん重くなる。
小さな幸せの作り方に気がついた、深い真夜中。
もう、半分夢の中にいる私の耳にどこからか彼からの通知音が聞こえた。
「ありがとう。君も、良い夢を」
『おかしいということ。そのままということ。』
私を否定された日の夜、あなたが言った。
「君は君のままでいいんだよ。僕はそんな君が好きだよ」
君からの優しい言葉でも笑えなくて、泣きながらベッドに入った。
不思議とすぐに眠たくなって、眠りの中を散歩した。
やっぱり少し泣いていた。
そしたら夢の中、いろいろなものに会ったの。
とても従順なネコ、
表情豊かなロボット、
ずっと眠っていたいサナギ、
キラキラに興味が無いカラスと、
ゴチャゴチャ鳴かないスマートフォン、
すごく楽しかったの。
矛盾だらけの彼らとね、愉快ねって笑いあったのよ。
そしたら「自由の君のままならいつでも愉快なんだよ」ですって。
その時、私思ったの。
全部君だったのかな?って。
恥ずかしがりやの君がいろんなものに姿を変えてきたのかな?って。
ううん、
もし君じゃなくても、きっと君の言葉が呼んだ子たちだったと思ったのよ。
だからね、聞いて欲しいの。
おはよう、あのね、元気になったよ。
私もね私のままで、君のままの君が好きだよ。
『世界を彩る君、そして私』
君が嬉しそうだと景色が光り出す。
君が苦しそうだと景色は暗くなる。
君は私の世界を左右する存在なわけです。
でもそう考えた時、私も君の世界を左右できる存在だと気がついた。
愛し愛されるってそういうことだ。
だから、私は思わず笑うのだ。
君の世界が優しくあるように。
★タイトル『』の中にそれぞれ。 ★朗読時間:すべて約1.2分でしょう(笑) ★ひとこと:
短い詩をいくつ載せてみました。今回は恋の詩をかき集めました。
どうだったかな…( *˙ ˙* )💭
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