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roco
2023年8月2日読了時間: 2分
走馬灯はまだ消えない
初めて死体を見たのは18歳の時、恐ろしいよりも美しいと感じた。 次の瞬間考えていたのは『この死体は何処へ行くのだろう?』という事だった。 父の身体だったそれは、当たり前だがぴくりとも動かず、そこにただじっとしていた。 もうこの身体はどこにもいけない。...
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roco
2023年7月6日読了時間: 5分
また、月はのぼるから(本番ver.)
企画『月が綺麗ですね』書き下ろし Spoonで上演した作品の台本のため、定期の指示と歌の指示も入っております。 定期なし歌なしで読んでいただいても、もちろんかまいません。 歌をいれる場合は著作権等、充分気をつけてください。 CAST 羽美(海月) 暖良(トキワ)...
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roco
2023年7月2日読了時間: 3分
この世界を選んだ君へ
『この世界を選んだ君へ』 (The朗読会2『この世界を選んだ君たちへ』改変) ()…ト書 ※語尾や一人称の変更などしてもらって構いません。自然な自分で語れる読み方をしてください。 (優しい呟きから物語は始まる) なにも間違ってないよ (花の音が聞こえる)...
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roco
2022年10月22日読了時間: 4分
眠り姫と夢を見るまで
ある村にその日、ふたりの赤ん坊が産まれた。 同じ時刻、まったく同じ瞬間に産まれたふたりは、どちらもとても弱々しく、大きく産声をあげることが出来なかった。 村に医者はひとりきり。 ふたりを同時に治療することが出来ずどうしようもなくなったとき、どこからか魔女が現れてこういった。...
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roco
2022年10月22日読了時間: 1分
舌で転がる恋の歌
ラタ、タンタンタン 恋が落ちてく ラタ、タンタンタン いつか輝いた金平糖 ラタ、タンタンタン 瓶の中でずっとそのまま ラタ、タンタンタン なんて訳にはいかなかった 形あるものは消えてくの 高ぶるものは落ちてくの 甘い甘い砂糖菓子 いとも容易く溶けてくの...
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roco
2021年9月12日読了時間: 2分
冬眠する君、そして僕。
冬の間冬眠をする君。 君の冬眠は特殊で全てを凍らせて眠ってしまう。 心臓の音もしない。 血の温かさも感じない。 そうして、そんな君を見ていると思う。 君は寝ているのではなくて死んでしまったのではないだろうか? 一度考えたなら悪い想像はふりつもる雪のように溢れた。...
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roco
2021年9月12日読了時間: 2分
刹那を重ねた
私には十年間告白し続けた人がいた。 中学二年生、十四歳の時から十年間。 私が好きを渡す相手は君しかいない。 そう思ってしまったのだから仕方なかった。 初めての告白は放課後の教室だった。 緊張で死ねるかもしれないと思ったのははじめてだった。...
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roco
2021年7月13日読了時間: 1分
イルネスワード
物語を紡ぐことができるあなたは、 無知な私の語彙力をよく可愛がる。 かわいい。 おもしろい。 すごい。 やばい。 すき。 感じたままの言葉を口から出せば、 クスクスとあなたが笑う。 馬鹿にされているように感じるけれど、 そうではないよと、あなたは微笑む。...
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roco
2021年2月16日読了時間: 3分
ミルクティーと君と僕。ひるのあいま
(季節は寒くなりだした11月はじめ) (大学生の女の子と社会人の男性がふたりこたつに入っている) (ふたりは幼なじみで小さい頃から仲が良いが、男性が社会人になってから会う回数は減っている) (付き合ってはいない) 女「ふぁぁ」 男「ふぁ…あくびすんなよ、うつる」...
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roco
2021年2月5日読了時間: 3分
浮けども、浮けども、
嫌なことがある。 「やめろって!早まるな!」 「…なに、そのありがちな台詞」 そりゃ、一生懸命生きていれば嫌な事のひとつやふたつ、うまれるのは当たり前だと思う。 それに耐えたり、解決したり、ぶっ壊したり、見ないふりをしたり、なんかとにかくやり過ごすのが人生だ。...
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roco
2021年1月12日読了時間: 3分
ミルクティーと君と僕。 あさのひととき
※声劇脚本 (大学生の女の子の部屋に年上幼馴染の男の子が来ている) (ふたりは付き合っていない) 女「ぅぅ…」 男「おーい、毛布と暖かい飲み物持ってきたぞ」 女「ありがと…うぅ…」 男「…大丈夫か?」 女「…大丈夫。月一回くる女の子の日ってだけだし」...
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roco
2021年1月11日読了時間: 3分
君が歩く、そのための言葉たち
あれ? もしかして、まだ起きてるんですか? …さては、眠れないんですか? それは困ったね。 君はちゃんと休まないと。 そうだ、じゃあ、いきなりですが、 少しだけ私と散歩をしませんか? 本当に、いきなりなんだと、思ったかな。...
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roco
2020年10月31日読了時間: 13分
そうして彼は、仮面をつけて笑うでしょう。
『兄ちゃん、早いよ!暗いんだから、置いていかないでよっ』 『早く来いよ!あーまた泣いたぁ…』 『だって、だってぇ』 『お前は本当怖がりだなぁ…男だろ?男なら泣くな!俺みたいに強くなれ!』 あぁ、また、この夢か。 視界がくるりと反転する。...
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2020年10月22日読了時間: 4分
朝の国と、夜の国と、
ここではない、わたしたちが行くことができない、そんな世界のおはなしです。 そこには、ふたつの国がありました。 朝の国と、夜の国といいます。 大きく長い島の中にふたつの国はあります。 島を上からみると、まるで巨大なヘビが2匹はっているかのような、ぐにゃぐにゃとゆがんだ形をして...
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roco
2020年10月16日読了時間: 2分
【廃れた世界で】この声が聞こえますか?
はろーはろー この声が届く全ての人へ 私の声はどんなふうに聞こえていますか? 私は人間です。 こんな廃れた(すたれた)世界で、珍しいよね。 もし気になったら、たぶん3分くらいかな、私の声を聞きませんか? 本当はあなたの声も聞きたいのだけど、これは一方通行の電波だから、ごめん...
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roco
2020年10月7日読了時間: 5分
悪夢十夜 第一夜
第一夜 こんな夢をみた。 「まぁ、とりあえずやってみようよ」 そう言って母は今日の現場に入っていく。 私と母と妹の3人は昔から幽霊が見えた。 それをいかして、今は親子3人で霊媒師の仕事をしている。 しかし、私達3人には霊媒師として大きな欠点がある。...
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roco
2020年10月5日読了時間: 3分
君の側には君はいますか。(前へ向かう僕らの詩5選)
『壮大な夢の出処について』 夢、というと、なにか特別な、平均的にすごいと思われるような、壮大な、高飛車な、そういうものを指すような気がしてしまって、そう思ったらもう、夢がなんだ、と呟かずにはいられない、そんな毎日を過ごしているわけで、右、左、と足が動いて、前に前に進んでるも...
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roco
2020年9月25日読了時間: 5分
幽霊になった夏
両親から宿題は終わったのかと聞かれ始めた。 もう8月も残り少ないことを実感する。 宿題は夜中にコツコツやって終わらせてある。 自由に家を出て彼女に会える昼間をそんなものに費やしたくなかった。 その日も朝ごはんを食べてすぐ廃工場に向かった。...
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roco
2020年9月17日読了時間: 4分
幽霊になった夏
俺は今まで生きてきて彼女が一番に綺麗だと思った。 彼女は夏の幽霊だった。 彼女の中では、花火が咲き、波がよせて、風鈴が鳴る。 これは夏を必死に追いかけた俺の恋の話だ。 彼女と出会ったのは町はずれの廃工場だった。 噂は一日で広がるような狭いこの町で俺が唯一自由にいられる場所。...
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roco
2020年9月1日読了時間: 4分
あくまで個人的な愛
『あなたの、遠慮した小さい笑顔』 『あなたの、すらっとした後ろ姿』 『あなたの、ふわふわな髪』 『あなたの、少し赤い頬』 『あなたの、まっくろな瞳』 『あなたの、まぬけな寝顔』 『あなたの、爽やかな香り』 『あなたの、色が薄いくちびる』 『あなたの、』 「なにこれ」...
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