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執筆者の写真roco

ミルクティーと君と僕。ひるのあいま




(季節は寒くなりだした11月はじめ)

(大学生の女の子と社会人の男性がふたりこたつに入っている)

(ふたりは幼なじみで小さい頃から仲が良いが、男性が社会人になってから会う回数は減っている)

(付き合ってはいない)


女「ふぁぁ」

男「ふぁ…あくびすんなよ、うつる」

女「だって、こたつ入ってたら眠くなってくる」

男「こたつ最高だよな…あぁ、寝る?起こすよ」

女「久々に会えたのに寝ないよ」

男「別に家隣同士なんだからいつでも会えるだろ。お前、大学の課題とかで夜寝れてないってLINEで言ってたじゃん。ちゃんと寝ないと目の下にくま出来るし、肌も荒れるぞ」

女「女子かよ」

男「なっ、モテる男はスキンケアも気にするんだぞ!」

女「…会社でモテんの?」

男「え?」

女「社会人になってもう半年以上経ったけど、会社でモテてんのって」

男「…モテてないけど」

女「…ふーん」

男「おい、なんで嬉しそうなんだよ」

女「…別にぃ!幼なじみが何年たっても変わりなくてちょっとニヤけただけぇ」

男「おっまえなぁ…」

女「ねぇ、みかんいっこむいて」

男「…しょうがないなぁ」

女「あと、喉乾いたからなんか飲みたい」

男「ここお前の家だろ」

女「どこになにがあるか知ってるでしょ?それに私の家にこたつが導入されたって聞いて飛んできたのは誰ですかー」

男「…はいはい。まず、みかんね、ほれ。よいっしょっと…暖かいのがいいよなぁ…」

女「……誰にでもこんなに優しいの?」

男「なんかいったー?」

女「…ロイヤルミルクティー飲みたいって言った!」

男「また、作るの面倒なものを…」

女「だって好きなんだもん」

男「え?」

女「あんたが作るミルクティー」

男「あーうん、ミルクティーね…うん」

女「ふぁぁ…本当、毎日忙しくて嫌になっちゃうなぁ…」

男「まぁ、大学3年だもんなぁ…」

女「目の前の課題のこともだしさ、将来の事とか、あと…恋愛とか」

男「恋愛?」

女「…この前告白された」

男「え!?」

女「講義がかぶってるだけでよく知らない人なんだけど!その、前からか、かわいいって思っててくれたんだって…かわいいとかびっくりしちゃって……断るつもりだったんだよ!?だけど友達が試しに付き合ってみてもいいんじゃない?って…」

男「付き合ったの?」

女「保留中」

男「よかった」

女「え?」

男「あ、いや……あのな、試しにって言ったって付き合うことには変わりはないわけだろ?お前、情に流されやすいところあるんだから、やっぱり好きじゃないなってなった時、きっと言い出すのしんどくなると思うから」

女「うん…そうだよね」

男「それに、」


(女の子のスマホの通知音がなる)


女「あ、お母さんだ。家の前にいるみたい。鍵忘れちゃったから開けてって」

男「あぁ、うん」

女「…相談、乗ってくれてありがとね。最近会えてなかったし、嬉しかった……鍵あけてくるわ!」

男「なぁ!…あんまり早く大人になるなよ。あんまり…遠くいくなよ」

女「…父親か。ばーか」


(女の子部屋を出る)


男「本当、父親かよ、俺…それにしても……告白ねぇ…」


男「俺の方がずっと前から、お前が可愛いの知ってるつーの」




★タイトル『ミルクティーと君と僕。』 ★朗読時間:約5分 ★ひとこと: 前回の続きではありますが、同じ日ではない...というつもりで書いてます。

ミルクティー飲んでみかん食べたら絶対酸っぱいよね。



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