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エデンの森
[この物語は私の大好きなedenの皆様に送ります] 自分に自信がなくなったなら、ここへ来ればいい。 自分を知ってもらいたいなら、ここで喋っていけばいい。 僕らはいつでも君を待っている。 一週間の仕事が終わった。金曜夜の電車の中。世間は華の金曜日とどこか浮かれていて、私は少し...

roco
2020年8月29日読了時間: 6分


「さびしかっただけなんだ」
『私の朝』 雲の隙間から太陽の光がもれてたり、 夜中のうちにきてたスマホの通知だったり、 ソーセージの匂いが鼻をかすめたり、 トーストが口の中でサクって綺麗に音を立てたり、 階段を降りる時の革靴の音だったり、 私に気がついて鳥がいっせいに羽ばたいたり、...

roco
2020年8月22日読了時間: 3分


まだ、ここ
「ねぇ、美嘉って『マダココ』やってたっけ?」 隣でいかにも女子高生という具合に短く折られたスカートをひるがえしながら友人が私に問いかけた。 「やってるよー」 『マダココ』とは、最近女子高生を中心に流行っているコミュニケーションアプリだ。...

roco
2020年8月15日読了時間: 5分


いき。
引越しの準備をするために、普段触らない棚をあけてみた。 すると、手紙が一通、落ちてきた。 封は、開いていない。 宛先は、私だ。 裏には、昔呼んでいた懐かしいニックネームが書かれている。 引越しにおいて断捨離というものは必要不可欠だと私は思っている。...

roco
2020年8月15日読了時間: 4分


こんにちは?こんばんは?
たいようが一日の仕事をおえて、ゆっくり眠りにつこうと思っていた時、どこからかふたりの女の子の声がしました。 その子たちは、たいようがオレンジ色に染めた地面を、子ども部屋の窓からじっと見つめています。 「ねぇ、まひる」 「なぁに、さよ」...

roco
2020年8月10日読了時間: 5分


さよなら、おやすみ、君に恋した。
『君を思い出す。』 僕は君を思い出す時に気をつけてることがいくつかあるんだ。 まず、できるだけ笑った顔を思い出すようにすること。 君は泣き顔なんて思い出して欲しくないかもしれない。 あと、素敵な思い出だと思ったらきちんと君に感謝すること。...

roco
2020年8月6日読了時間: 3分


ディストーション
※暗いお話注意です。 知っていますか? 日本は自殺大国と呼ばれていることを。 知っていますか? 今日本の自殺者は三万人以上にのぼることを。 その人数はあの大震災で死んだ人数よりはるかに多いということを。 知りたいですか? 貴方がいまその三万人の一人になろうとしていることを。...

roco
2020年8月3日読了時間: 7分


なつのおさんぽ
元気よくセミが鳴く夏の日のことです。 おやつを食べ終わったうみちゃんは、お父さんと手を繋いであぜ道を散歩していました。 青くて広い空と、もくもくと浮かぶ白い雲と、どこまでもつづいていきそうな畑の緑が、うみちゃんの目の前にあります。 「よく晴れてて気持ちがいいな、うみ」...

roco
2020年8月1日読了時間: 5分


気持ちはきっと前を向いてるけどそれだけじゃどうにもならないことを痛感した、高3の夏、あの蝉の声
遠くで、連日うるさい蝉がいっそううるさくなる気がした。 それはきっと、あれだけ騒いでいた私たちが一瞬にして静かになったからだろう。 高校二年生の夏休みだった。 一年生の頃のような高校生はじめての夏という緊張もない、三年生のような受験への不安もない、気楽な夏だった。...

roco
2020年8月1日読了時間: 2分


柵の歌。
柵の歌。 カン、カン、カン、 あ。今日もだ。 カン、カン、カン、カン、カン、 毎晚、夜七時前。 住宅街のあちこちから夜ご飯のにおいがしてくるこの時間。 ご飯だよ、なんて声が聞こえてきそうなこの空気を実際に震わしているのは、 カン、カン、カン、 いつも、あの音だ。 カン、...

roco
2020年8月1日読了時間: 2分


わたしのなまえ
ある朝のことです。 車がやっと一台通れそうな細い道の端っこ、住宅街から漏れ出す少しの日を浴びて、一輪の花が咲きました。 アスファルトの合間に咲いたその花は、誰もが名前を知る立派な花でした。 でも、最初にその花を見つけたのは何も知らない女の子でした。...

roco
2020年7月29日読了時間: 4分
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